ニューヨーク証券取引所から日本生命NY投資現地法人・今真一郎が解説。17日のニューヨーク株式市場について、8月小売売上高が市場予想を上回ったことなどを受け、寄り付きから上昇。その後は翌日に公表を控えるFOMC(連邦公開市場委員会)を前に上値は重い展開。S&P500はほぼ横ばいで終了。小売売上高は市場予想を大きく上回った7月のデータから、伸びが減速したものの、前月比で0.1%のプラスとなり、市場予想を上回った。GDP(国内総生産)算出に使用されるコントロールグループ(自動車、ガソリン、外食など除く)↑0.4%。個人消費の底堅さが示された形。項目別では低調な自動車販売やガソリン価格下落に伴うガソリンスタンドの売上高減少が全体を押し下げた一方、ネット通販を含む無店舗販売やヘルスケアが好調。衣料品、家具、電化製品と言った裁量的支出は前月から減少。オンライン小売・イーベイのジェイミー・イアンノーネCEOが「消費者は価格に対し慎重であり、価格に対する価値をより求めている」と述べるなど、多くの企業から消費者の節約志向を指摘する声が聞かれる。18日のFOMC(連邦公開市場委員会)、では4年半ぶりの利下げが確実視されているが、アメリカ経済がソフトランディングを達成できるか、今後の個人消費動向や企業決算などに注目が集まる。
URL: http://www.nyse.com/