中国に変わる新たな販路の拡大を目指す日本のホタテ。米国への輸出拡大を目指し新たな戦略も動き始めている。ジェトロや北海道はニューヨークで現地のシェフやインフルエンサーを招いた北海道の食材の販促イベントを開催した。振る舞われたのはイタリア版の刺身である「ホタテのクルード」。日本産ホタテの新鮮さをいかした生食をアピールする狙い。調理を担当したシェフは北海道産ホタテを高く評価している。ただそのためには課題も。日本のホタテの多くは殻の状態のまま冷凍で中国などに輸出。解凍して加工し、再び冷凍のうえ米国に輸出していた。再冷凍することで鮮度や風味が落ちてしまう。そこでジェトロが取り組んでいるのはメキシコルート。冷凍でメキシコに輸出し加工。米国までは陸路で数時間程度で冷蔵での輸送が可能になる。ジェトロは今年2月からメキシコ北西部の加工業者と協力し実証事業を開始。生食用として高級レストランで扱われれば、売値が中国経由のときよりも2倍程度に高まると期待している。