NASAなどの研究グループによると去年7月、火星のクレーターで火星探査車がかつて水が存在したと考えられる場所を調査していたところ、岩に数ミリほどの斑点があるのを見つけた。X線や紫外線を使って分析した結果、鉄や硫黄の化合物とみられる物質や有機物が検出され、こうした化合物は地球上では有機物を栄養として活動する微生物が生成するケースがあることから、火星でも微生物が存在した可能性があるという。研究成果は10日に科学雑誌「ネイチャー」に掲載され、NASAのダフィー長官代行は成果を称えた。グループは「火星に生命が存在したかを確認するにはサンプルを地球に持ち帰って高度な分析を行う必要がある」としている。ただトランプ政権は予算削減の一環として火星からサンプルを持ち帰る計画を終了する方針を打ち出していて、分析が進むかどうかには懸念も出ている。