車いすテニスの小田凱人選手が18歳初出場でパラリンピックの金メダルを手にした。幼い頃プロのサッカー選手を夢見ていた小田選手。9歳の時、左足を激しい痛みが襲い骨肉腫と診断された。15回の抗がん剤治療、左の大腿骨を切除する手術。そんな時病室で目に飛び込んで来たのがロンドンパラリンピックでプレーする国枝慎吾選手の姿だった。退院するとすぐにテニスを始めた。14歳の時には史上最年少でジュニアの世界ランキング1位となった。シニアの大会に出場するようになると4大大会での優勝を目標に掲げた。力を入れたのはバックハンドの強化。小田選手は9歳の時の手術により左側の腹筋の一部がない。そのためバックハンドを打つ時上半身が傾いてボールを上手く捉えることができなかった。残された腹筋を徹底的に鍛え弱点を克服。さらにバックハンドを武器へと進化させた。サイドラインに沿うように打つ「ダウン ザ ライン」。去年全仏オープンで4大大会初優勝。史上最年少の快挙だった。ウィンブルドンも制覇しトップへ上り詰める。小田選手の夢はかつて自分が国枝選手に励まされたように子どもたちの未来を切り開くきっかけを作りたいというもの。迎えた初めてのパラリンピック。決勝で世界ランキング1位イギリスのヒューエット選手と対戦した。第1セットは小田選手が主導権を握る。第2セットを奪い返されフルセットにもつれ込む。最終第3セットは一進一退。ヒューエット選手に先にマッチポイントを握られるが土壇場で追いつくと勢いに乗り勝利した。