ガザでの戦闘を続けるネタニヤフ政権の基盤を揺るがしかねない新たな火種が生まれている。イスラエルの超正統派の人たちが今政府に対し抗議の声をあげはじめた。その原因は「徴兵」。エルサレムの中心にある「メア・シャリム」地区は超正統派の人たちが多く暮らすエリア。殆どの男性が黒い帽子にスーツを着用、独特の空気が漂っている。超正統派の人たちは13歳から宗教学校「イェシバ」に通いユダヤ教の教えを学ぶ。生涯をかけて学ぶために大人になっても通い続ける人もいて世俗的な暮らしとは一線を画している。人々はポスターの掲示で情報を入手、ユダヤ教の教えを学ぶことを重視し仕事に就かないことも多い超正統派の人たちは生活保護を受ける人も多くイスラエルの財政を圧迫しているとして厳しい批判にさらされてきた。そんな超正統派の人々への国民の不満を決定づけるきっかけとなったのが長期化するハマスとの戦闘。これまでにイスラエル軍の兵士300人以上が死亡する中、事実上徴兵免除されていることへの批判が高まった。そして先月、イスラエルの最高裁判所は、“不平等による負担はこれまで以上に喫緊の課題”とし政府に超正統派の徴兵を命じる判決を言い渡した。イスラエルのガラント国防相は今年の夏から1年間で3000人の超正統派の徴兵を進めていくと述べ超正統派に召集令状の発行を始めた。これに対し、連立政権を支える超正統派の宗教政党から反発の声が出ている。