気候変動対策を話し合う国連の会議「COP29」。主な議題は、途上国の気候変動対策を支援する気候資金、その新たな目標額を決めることだが、難航している。この気候資金を強く求めているのが島しょ国。その1つ、バヌアツは海面上昇で墓地が海に沈んだほか、高潮などの影響で移住を余儀なくされた集落も出ている。さらに去年3月、2つの大きなサイクロンが全土を襲って、人口の6割以上がなんらかの被害を受けたとされている。1年半以上たっても、小学校に屋根がない。復旧しようにも、資金がない。授業は校庭に設置したテントで行っている。こうした災害からの復旧にも使われる気候資金。2020年までに先進国全体で年間1000億ドルを拠出するという目標は2年遅れで達成された。今は来年以降の新たな目標額を決めようと議論されている。島しょ国は、深刻化する被害への対応や将来への備えが必要だなどとして、大幅な目標額の引き上げを求めている。ただ、金額や分担方法を巡って、新興国を含む各国の意見の隔たりは埋まっていない。