アメリカとカナダの対立が激化。21日、アメリカとカナダの貿易協議が土壇場で決裂した。両国は決裂の経緯をめぐり互いに非難し合っている。アメリカメディアによると、アメリカはカナダ産自動車の関税を緩和する予定だったが、土壇場になって中型・大型トラックは緩和の対象外と主張。さらにカナダがアメリカ以外の国々との貿易交渉を制限することも求めた。カナダはアメリカへの経済的依存を減らすため、各国と貿易協議を進め多極化を図ってきた。カナダとしては米自動車などへの報復関税の撤廃や米産アルコールの購入停止の取りやめを州知事に働きかける用意があったが、カナダの主権が脅かされると判断した。交渉の決裂を受けてトランプ政権は22日、カナダの乳製品など幅広い製品を対象に50%の追加関税を発動。カナダ側は対抗措置として来月8日からアメリカの鉄鋼製品・乳製品などに関税を課す方針。24日、トランプ大統領は自動車・自動車部品などへの追加関税を来年1月から50%に引き上げると表明。これに対しカナダ政府は25日、鉄鋼・アルミなどに来月8日から最大50%の関税を課すと明らかにし、報復の応酬となっている。カーニー首相としてはトランプ大統領が関税による脅しのほか、カナダを51番目の州にするなどの発言も続け、カナダ国民から強い反発が上がる中で「1ドルには1ドル」の方針を掲げ、安易な妥協はしない考え。トランプ大統領もカナダとの貿易戦争で中間選挙を前に自ら痛手を被ると指摘されている。アメリカの自動車産業はカナダに多くの製造拠点を設け、カナダと国境を接するミシガン州に集積し、国境をまたいで多くの物品が行き来している。トランプ大統領がイラン情勢を受けたガソリン価格の高騰などインフレ対策に追われる中で支持者の反発を招くおそれがあり、共和党候補者からは懸念の声が上がっている。
