16日は半導体設計ソフト大手の「シノプシス」がシミュレーションソフト大手の「アンシス」を約350億ドルで買収すると発表した。足元でM&Aが復活している兆しだと受け止めている。米国では昨年10月、「エクソンモービル」が同業「パイオニア」の買収を発表のを皮切りにこれまで「ヒューレット・パッカード・エンタープライズ」による通信機器の「ジュニパーネットワークス」の買収、「ブラックロック」による投資会社「グローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ」の買収など100億ドルを超える大型案件が復数発表された。昨年10月以降の米国企業によるM&Aの発表金額は前の年の同じ時期に比べて4割を超えて増加している。長期金利は昨年10月をピークに低下トレンドとなっており、企業による資金調達のん難易度がやや下がったものと考えられる。また足元で景気が軟着陸するとの期待が高まっていることも企業がリスクを取りやすくしていると思われる。M&Aのさらなる増加に向けた環境が整うなか、恩恵を受けやすいのは投資銀行セクターだと考えている。M&A市場は金利上昇や景況感の悪化により厳しい期間が続いていた。しかし本日決算を発表したゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの両投資銀行はいずれもM&A関連の収入が市場予想を上回っており改善の兆しが見えている。今後のさらなる改善に期待できると考えられる。
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