野村グループ・関原奈央に話を聞く。12日のニューヨーク株式相場はまちまちの展開となっている。12日もクラウド事業者などを中心にテクノロジー株の調整が続いた。ただし前日の軟調な雇用指標が休場明けの債券市場で意識され、10年債利回りが低下基調となる中で出遅れ銘柄への循環物色が続き、結局S&P500は前日終値をはさんだ動きとなっている。このところのAI関連銘柄の軟調には、ある著名投資家の動向が影響している。2008年の金融危機前にアメリカの住宅市場の崩壊を見通し空売りを仕掛けたことで知られるマイケル・バーリ氏は映画「マネー・ショート」の主人公としても有名だが、今月はエヌビディアやパランティア・テクノロジーズのプットオプションを購入したと明らかにし、再び注目を集めた。バーリ氏は特にデータセンターを運営する大規模クラウド事業者、いわゆる「ハイパースケーラー各社」について、「利益を過大に見せている」と指摘しているが、その焦点となるのが決算における減価償却の扱い方。一方でハイパースケーラー各社は2020年頃からサーバーやネットワーク機器などの耐用年数について、その性能向上などを理由に従来の「3年から4年程度」から「5年超」に引き伸ばしている。バーリ氏はハイパースケーラー各社について「耐用年数を恣意的に延ばすことによって毎年の減価償却費を過小に計上している」と主張した。これにより2028年までにハイパースケーラー各社が利益を総額1760億ドル(約27.2兆円)相当、過大に報告すると予想していて、投資家のAIに対する不安を高める要因となっている。
