全ての日程を終えたパリ五輪を開幕前から取材を続けていた宮司キャスターは、今回の大会を振り返って「今大会は6年ぶりの有観客開催ということもあって、忘れかけていた世界中の人々と思いを共有する喜びを思い出させてくれるような大会になったとも感じる。ただ、その一方で、それだけ多くの人たちの視線が注がれたからこそ、たくさんの議論が生まれた。そもそもウクライナ侵攻やガザ紛争が続く中で、この平和の祭典が持つ意味は一体何なのか?それからボクシングにおいては女子選手の出場資格に関する議論、あとはSNS上での選手への誹謗中傷なども議論になった。取材した中で最も心に残ったのは、ウクライナ選手とパレスチナ選手に話を聞いたこと。彼らに共通していたのは、どんなに母国や故郷が困難な状況に置かれていても望むことは実現できる、希望を持つことはできるということ。あくまで競技者として、この場に来ていて、戦うというひたむきな姿を見せることで、どこか世界中の人たちに何かを訴えかけたいのではないか?と感じた。五輪に関しては様々な議論があると思うが、これだけ国際情勢が非常に不安定な中で五輪の名のもとに世界中の人たちが集まれる機会は本当に重要だと、貴重だと思うし、五輪に対して希望を持ちたいと思っている人がいることも忘れてはいけないと思う。28日からはパラリンピックも始まる。今大会で生まれた議論をさらに前に進められるように、私たち一人一人が今後、考えていかなければならないのだと感じた」と話した。