G20首脳会議。会議初日に首脳宣言が出される異例の展開。気候変動について「パリ協定」の長期目標の達成に向けた努力を続けることが確認された。ただ、これはトランプ氏がパリ協定離脱を表明していることを念頭に取り組みの継続を強調した形。また今回は、去年の宣言の中にあった反保護主義の言葉が盛り込まれなかった。関税強化など保護主義的な政策を掲げるトランプ氏を過度に刺激しないよう配慮したとの見方もある。このように国際社会が、次のトランプ政権を強く意識するなか、精力的に動いていたのが、中国・習近平国家主席。1日目の会議では、飢餓と貧困との闘いなどがテーマだったが、習主席は「中国はグローバルサウスの一員として途上国が頼れる協力パートナーであり続ける」と強調した。グローバルサウスの国々に寄り添う姿勢を示すことで各国の協調路線をアピールし、トランプ氏の米国に対抗する狙いも。実際に中国はグローバルサウスの代表格ともいわれる、ここブラジルとの関係強化を進めている。経済分野では中国は、ブラジルにとって輸出額の3割、輸入額の2割を占めていて、米国を差し置いて最大の貿易相手国となっている。