国際部の石井勇作デスクに聞く。トランプ大統領は就任直後から動き出している。就任式で演説を行った際にはその時点でもすでに数多くの具体的な政策、これに言及をしていた。課題として掲げていた不法移民対策、これについてはメキシコとの南部の国境について非常事態を宣言して軍を派遣すると表明している。またエネルギー、これを巡っても非常事態を宣言してエネルギー価格が上がったことによってインフレがもたらされたんだとして規制を緩和して化石燃料の増産をしていこうという方針を示した。この延長と言ってもいいと思うが、パリ協定からの離脱も表明した。いずれもバイデン政権からの大きな政策の転換となる。それで就任の演説でも言及していたが、1つ特徴といっていいと思うのが、政策遂行のスピード感、これも特徴だと言っていいと思う。初日からの公約の実行、着手ということで政策転換を大きくアピールした形で、大統領の権限で行う大統領令というものを使うのが議会の承認を経ずに政策を推進できるので、よりスピードを重視しているんではないかという側面もあるのではないかと思う。トランプ氏としてはこの初日から多くの政策を打ち出して米国の黄金時代が始まるんだとしている。ただ、このトランプ大統領の就任演説のテーマの一つは団結、国民の団結だというふうにしていたが、転換された政策の中には前のバイデン政権が進めてきた例えば多様性を重視する政策といった人々の価値観の部分にも関わるものもある。米国で深刻な分断が続く中で選挙でトランプ氏自身を支持しなかったという人たちも含めてどのように国民の結束を図っていくのかという意味で言うと道筋はまだ見えてない気がする。
また気になるのはウクライナなど世界情勢がどうなっていくのかもあるが、トランプ新大統領は今後どのような外交を展開するだろうか。外交安全保障上の最大の焦点は中国といっていいと思う。人事面を見ても国務長官のマルコルビオ氏、それから安全保障担当の大統領補佐官にウォルツ氏といずれも対中強硬派の人物をあてている。物議を醸したこのグリーンランド、あるいはパナマ運河を巡る発言もトランプ氏としてはいずれもこの中国の安全保障上の脅威、これを念頭に置いたものでもある。習近平国家主席と対話をしつつも一方で中国にどう対抗していくのかということがトランプ政権の外交安全保障政策の起点、中心となるといっていい。その文脈、その延長にあるのがほかの地域で、例えばウクライナであったり、中東の政策とそれも中国政策の影響を受けていく形になると思う。トランプ大統領は就任式の演説の中で力による平和とそれも力を直接行使するのではない平和ということを言及していた。トランプ氏としては本音のところで言うと、ウクライナ、あるいは中東には米国として資源をこれまでと同様にはつぎ込まないような形で安定させようとしているのではないかという見方もある。民主党のバイデン政権は対中国ということでは日米韓、日米フィリピン、あるいは日米豪印のクアッド、さらには米英豪のAUKUSといった小規模なマルチの組み合わせというので対抗するという政策を取ってきた。これについてトランプ政権で安全保障担当補佐官を務めることになるウォルツ氏も先日こうした枠組みについては維持、発展をさせていく必要があるというふうに明言していた。そうした意味では中国と相対していくうえで日本の役割も変わらず期待されているのだと思う。トランプ政権は確かに米国第一というふうに自国優先に軸足は移していくとは思うが、変わる部分、それと変わらない部分というので注意してみていく必要があると思う。
また気になるのはウクライナなど世界情勢がどうなっていくのかもあるが、トランプ新大統領は今後どのような外交を展開するだろうか。外交安全保障上の最大の焦点は中国といっていいと思う。人事面を見ても国務長官のマルコルビオ氏、それから安全保障担当の大統領補佐官にウォルツ氏といずれも対中強硬派の人物をあてている。物議を醸したこのグリーンランド、あるいはパナマ運河を巡る発言もトランプ氏としてはいずれもこの中国の安全保障上の脅威、これを念頭に置いたものでもある。習近平国家主席と対話をしつつも一方で中国にどう対抗していくのかということがトランプ政権の外交安全保障政策の起点、中心となるといっていい。その文脈、その延長にあるのがほかの地域で、例えばウクライナであったり、中東の政策とそれも中国政策の影響を受けていく形になると思う。トランプ大統領は就任式の演説の中で力による平和とそれも力を直接行使するのではない平和ということを言及していた。トランプ氏としては本音のところで言うと、ウクライナ、あるいは中東には米国として資源をこれまでと同様にはつぎ込まないような形で安定させようとしているのではないかという見方もある。民主党のバイデン政権は対中国ということでは日米韓、日米フィリピン、あるいは日米豪印のクアッド、さらには米英豪のAUKUSといった小規模なマルチの組み合わせというので対抗するという政策を取ってきた。これについてトランプ政権で安全保障担当補佐官を務めることになるウォルツ氏も先日こうした枠組みについては維持、発展をさせていく必要があるというふうに明言していた。そうした意味では中国と相対していくうえで日本の役割も変わらず期待されているのだと思う。トランプ政権は確かに米国第一というふうに自国優先に軸足は移していくとは思うが、変わる部分、それと変わらない部分というので注意してみていく必要があると思う。