米国・ワシントンから中継。米国・トランプ政権誕生から5日がたった。議会襲撃事件の被告の恩赦や、不法移民の強制退去など、早くもトランプ流社会の実現に向けて強大な大統領権限が振るわれている。米国に来て感じることは2つの全く異なる世界観があること。トランプ再登板に熱狂する人、一方でそれにあらがう人を取材。首都ワシントンD.C.の中心部にある大型の競技施設では、大統領就任式のパブリックビューイングが予定されていた。この日の朝の気温は−6℃。厳重なセキュリティーを通過し会場内に入ると2万人を収容する観客席は、既に大勢の支持者たちで、埋め尽くされていた。大統領への返り咲きを果たしたトランプ大統領の姿を特別な思いで見つめる男性は、ワシントンDCの名門校アメリカン大学に通う学生。大統領選挙直前の去年10月、番組の取材に、物価高で生活が苦しくなったと訴えていた。経済を立て直してほしいという思いでトランプ大統領に一票を投じた。男性は「経済は格段によくなるだろう。生活必需品すべての値段が下がると思う」と語った。8年前の就任式で宣言した「米国第一主義」を再び高らかに掲げた米国・トランプ大統領。就任直後から着手する政策を次々と打ち出した。トランプ大統領は「我が国への壊滅的な侵略を撃退するため、軍隊を南部国境に派遣する」と述べた。就任式を終えるとパブリックビューイングが行われていた会場に姿を現し、次々と大統領令に署名するパフォーマンスを見せた。更に今回、注目される大統領令がある。2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件。米国・バイデン前大統領が勝利した前回の大統領選挙で不正があったとしてトランプ大統領の支持者が議会に乱入。トランプ大統領の要求に従わなかったペンス元副大統領も標的だった。この事件を扇動した罪などで極右団体「プラウドボーイズ」の元代表の男らが逮捕、刑務所に収監されている。就任式のパブリックビューイング会場の外にはその仲間たちが集まっていた。この事件で有罪になった1500人に対し今回の大統領令で恩赦を与えた。