フランス・パリにある国立自然史博物館には一頭のゾウの剥製が展示されている。このゾウの名前はサイアムと名付けられている。サイアムは1946年にインドのジャングルで生まれた。サイアムがいた群れは村を襲ったため、人間の怒りを買い、大きな囲いに追い込まれてしまった。赤ちゃんだったので飼育所に運ばれ、人間によって育てられた。16ヶ月後、サイアムはソーンプルの動物市場で売られた。金持ちに買われ、2500km離れた、村に連れてこられた。7歳になると木の運搬作業をやるようになった。よく働き、村のこどもたちにも大人気。やがてウワサは広がり、パレードで練り歩く特別なゾウの仲間入りをすることになった。選ばれたゾウは神として崇拝された。ある日、サイアムは売られてしまった。