神奈川・横須賀の農家の原田憂子さんは4年前から廃棄野菜などを活用してせっけんを作り直売所で販売している。今、最盛期を迎えている冬キャベツ。収穫したものの1割ほどは規格外で廃棄されていた。大地の恵みを余すことなく閉じ込めたキャベツのせっけん作りの一部始終を見せてもらった。まずは刻んだキャベツをジューサーに投入。濃厚なエキスをしぼり出す。次はせっけんのもととなるオイルの準備。保湿の効果があるといわれるココナツオイルとパームオイルを湯煎で溶かし。オリーブオイルと米油を混ぜ合わせる。一方、しぼり汁に加えるのは水酸化ナトリウム。油を固める性質がある。オイルとしぼり汁を合わせるとき大切なのが熱を加えすぎないこと。最後に香りつけのアロマオイルを加えて1か月をかけて乾燥したら出来上がり。今、原田さんの取り組みは海産物にも広がっている。去年、原田さんが地元の水産会社に声をかけて作ったヒジキのせっけんに使うのは色がよくなかったり小さすぎたりしてこれまで廃棄されていたヒジキ。ほかにもイチゴやシイタケなど地元の仲間とともにさまざまな種類のせっけん作りに挑戦している。もったいないをキーワードに今後も同じ気持ちを持つ生産者と協力の輪を広げていきたいと考えている。