ウクライナが唱える和平案を話し合う「平和サミット」が閉幕し、ウクライナ・ゼレンスキー大統領はFNNの取材に対し「成功だった」と述べた。2日間の日程で行われた「平和サミット」は16日に閉幕し、核の安全確保や食料安全保障など3項目を盛り込んだ共同声明を採択した。声明には、ロシア軍の撤退を求める内容は盛り込まれず、「領土の一体性や政治的独立に対する脅迫や武力行使をしない」との国際法上の原則を確認するにとどまった。主催国のスイスによると、83の国と機関が声明を支持した一方、インドや南アフリカなど10カ国以上が加わらなかった。ウクライナとしては、共同声明で国際的な結束を示し、ロシアに圧力をかけるのが狙いだが、ロシアは開催前日に一方的な停戦案を発表するなど、譲歩する兆しはない。共同声明が採択され、ゼレンスキー大統領は今回の平和サミットは成功だったと強調したが、和平交渉の早期実現が見通せない状況はまだ続くとみられる。