ニッポン列島を揺るがしたクマ問題。去年、人身被害も過去最多を記録した。人とクマが棲み分ける境界線はなくなってしまったのだろうか。日本を代表するリゾート地である長野・軽井沢町は人口2万人の街だが年間800万人もの観光客が訪れる。人で賑わう通りからほど近い山道を進んできた1台の車。降りてきたのはNPO法人「ピッキオ」の井村潤太さん。荷台でおとなしくしていたのはパートナーのエルフで北欧原産「カレリアン・ベアドッグ」である。名前の通りクマ狩りに使われてきた猟犬で主人に従順であり勇猛果敢な犬となっている。エルフは人里に出てきたクマを追い払うために特別な訓練を受けている。別荘地としても名高い軽井沢はツキノワグマの生息域と人間の生活圏が重なり合うエリアも多く、かつては人が襲われることもあった。その対策に24時間体制であたっているのが「ピッキオ」である。深夜2時半に追い払いを担当する井村さんが準備を始めていた。人里に近づいてきたクマがいたという。井村さんはクマの居場所を探知機で探っていく。エルフの出番となりゆっくりとクマに近づいていき、井村さんの指示に従い吠え立てて人里に近づいていると“警告”していた。安全面を考慮して取材スタッフはここまでとなった。そしてエルフがクマのふんを発見し、50分後に追い払いを終えて帰ってきた。
