2026年1月23日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【野生と共に生きる!〜駆除に頼らない観光地〜】

出演者
長谷川博己 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れた。

クマに揺れたニッポン列島
“人と犬”で追い払うプロ集団

ニッポン列島を揺るがしたクマ問題。去年、人身被害も過去最多を記録した。人とクマが棲み分ける境界線はなくなってしまったのだろうか。日本を代表するリゾート地である長野・軽井沢町は人口2万人の街だが年間800万人もの観光客が訪れる。人で賑わう通りからほど近い山道を進んできた1台の車。降りてきたのはNPO法人「ピッキオ」の井村潤太さん。荷台でおとなしくしていたのはパートナーのエルフで北欧原産「カレリアン・ベアドッグ」である。名前の通りクマ狩りに使われてきた猟犬で主人に従順であり勇猛果敢な犬となっている。エルフは人里に出てきたクマを追い払うために特別な訓練を受けている。別荘地としても名高い軽井沢はツキノワグマの生息域と人間の生活圏が重なり合うエリアも多く、かつては人が襲われることもあった。その対策に24時間体制であたっているのが「ピッキオ」である。深夜2時半に追い払いを担当する井村さんが準備を始めていた。人里に近づいてきたクマがいたという。井村さんはクマの居場所を探知機で探っていく。エルフの出番となりゆっくりとクマに近づいていき、井村さんの指示に従い吠え立てて人里に近づいていると“警告”していた。安全面を考慮して取材スタッフはここまでとなった。そしてエルフがクマのふんを発見し、50分後に追い払いを終えて帰ってきた。

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カレリアン・ベアドッグクマピッキオ北海道警察山形ドローン協会協同組合軽井沢町(長野)
(オープニング)
オープニング

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野生と共に生きる!
熊と人の関係に変化?

長谷川博己は宮沢賢治の小説の一節を読み「皆さんは熊文学をご存知でしょうか。小説などの世界で熊は様々な象徴として描かれてきました」などと話した。

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宮沢賢治
クマ“人身被害ゼロ”の秘策

10月下旬、浅間山の裾に位置する長野・軽井沢町。森の入り口にある「ピッキオ」の事務所を訪ねた。町からの委託を受け、24時間体制で7人がクマ対策にあたっている。主に夜間の巡回を担当している関良太さんは午後10時になると見回りに向かった。関さんがある場所で車を停めクマの位置を探るため受信機とアンテナを取り出し、電波をつかむ音に変化があった。ピッキオの対策は人里に近づいたクマを捕獲することから始まり、麻酔で眠らせ個体ごとの特徴を調べ上げ発振器とGPSを装着する。その後「人と犬」は怖いと学ばせた上で、山に還していく。発振器などを付けたクマは49頭で続いて関さんは別の場所へ向かった。ここでも電波が来る方向を探り、3か所から測定すると探しているクマの場所が割り出されるのである。軽井沢の対策は人とクマの生活エリアを明確に分けることでクマが境界線に近づいてきたら追い払う。境界線を何度も超えるなど危険度が高いと判断した場合のみ駆除となり、去年は1頭が殺処分となった。ピッキオは星野リゾートが自然保護のために設立した「野鳥研究室」が始まりである。転機は1998年であり、軽井沢町でクマ被害が多発していた。2000年には町から正式に委託を受け対策を本格化させた。町の協力も欠かせず、町のはずれには構えて50年以上になる神戸さん夫婦がいた。夫の啓次さんはクマ対策がされたゴミの収集場所に案内してくれた。大きなクマが揺すっても倒れない頑丈な作りでクマの前足では開けられない取手の形状が特徴であった。かつて年間100件を超えていたゴミ荒らしは2009年にはゼロになった。駅前のアウトレットモールの年間売り上げは590億円にのぼる。町がピッキオに支払うクマ対策費は今年度で2400万円となり、ここ15年で人の生活エリアでの人身被害はゼロとなっていた。クマ対策が商業エリアの安全を守り、別荘地としての資産価値を維持することにもつながっている。そんなピッキオにはもう1つの顔があり、ピッキオはイタリア語で「キツツキ」のことで株式会社としてツアーなども開催している。ピッキオはクマとの共存が豊かな森を育んでいると伝えていた。だからこそクマによる被害を未然に防ぐことに力を入れている。

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キツツキクマピッキオ星野リゾート軽井沢・プリンスショッピングプラザ軽井沢町(長野)軽井沢野鳥の森

養蜂家の雨宮弘幸さんが作っているのは添加物を使用せず加熱していない“生ハチミツ”である。森の中は農薬や汚染物質の影響が少なく、様々な花の密を集めることができる。かつてはクマによる被害があったがピッキオは電気柵を無料で貸し出すことにしていた。静電気ほどの電流だが効果はてきめんでクマは退散しシカは飛び跳ねていた。12月中旬、雪化粧をまとった浅間山となりこの頃になるとクマの出没情報もほとんどなくなった。日本各地でかつてないほどクマの出没と被害が問題になった1年だったが、長年クマと向き合ってきたピッキオだからこそメッセージを出せないかと考えた。それはクマを「正しく知り、正しく畏れる」ことでありそのための情報を公開した。

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クマピッキオ浅間山生ハチミツ軽井沢町(長野)
奄美の絶滅危惧種に異変

一方、鹿児島・奄美大島は美しい海と日本有数のマングローブの原生林で亜熱帯ならではの動植物が見られる大自然が広がっていた。2021年には世界自然遺産に登録されたこの島は多くの観光客が訪れていた。そんな奄美観光の目玉は「ナイトツアー」で目を凝らすと国の特別天然記念物である「アマミノクロウサギ」という奄美大島と徳之島だけに生息する絶滅危惧種がいた。この奄美のアイドルをめぐって島を揺るがす事態が起きていた。

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アマミノクロウサギ世界自然遺産奄美大島鹿児島県
クロウサギは どこへ…

長谷川博己は「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち(下)」を読み「人がどんな姿を語ろうとクロウサギはただ自然を生きる動物です。人の過ちがその存在を脅かすこともあれば彼らが人の営みを荒らすこともある」などと話した。

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ウォーターシップ・ダウンのウサギたち(下)クロウサギ
交通規制でクロウサギを守る

2021年11月、鹿児島・奄美大島に歩くほどのスピードで山道を進む車があった。運転しているのは環境省で希少種保護を担当する鈴木真理子さんである。何かを見つけるたびに車を降りてはそれを踏みつけていく。踏み潰していたのは特別天然記念物であるアマミノクロウサギのフンである。鈴木さんは鹿児島大学でクロウサギを研究し、調査のために移住して2019年からは環境省で保護活動に携わるようになった。アマミノクロウサギが多くみられるとナイトツアーで人気の市道・三太郎線。この年奄美市は異例の交通規制を始めた。交通事故からウサギを守るためである。東西の入り口からそれぞれ30分に1台のみで時速10km以下の走行を要求した。この規制を主導したのが鈴木さんたちであった。当初は予約をせずに訪れる人や規制を無視する人が相次いでおり、自然保護と島民の生活のどちらを優先するのか意見が割れていた、

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クロウサギ奄美大島環境省鹿児島大学鹿児島県
クロウサギ九族で“厄介者”に!?

2025年12月に再び市道・三太郎線を訪ねると鈴木さんの同僚の興津絵美さんがおり、事前予約など規制がしっかりと浸透していた。その成果は数字にも現れており、2025年には三太郎線の事故数が初めてゼロになっていた。しかし長くツアーガイドを務めてた西真弘さんはある異変を感じていた。絶滅危惧種のアマミノクロウサギが急増していたのである。交通規制や外来種・マングースの根絶など、手厚い保護の効果が現れ2003年の推定2,300匹から2021年にはおよそ20,000匹となった。さらにここ数年で倍増しているのではないかと西さんは言う。ツアーを終えて国道を走っていたその時、クロウサギがひかれてすでに死んでいた。交通量が一番多い幹線道路にまでクロウサギが姿を現すようになっていた。この日は地元企業や自治体が国道で安全運転を呼びかけていた。去年三太郎線ではゼロであったが、島全体では156匹のクロウサギが交通事故で死んだ。そしてクロウサギの急増がさらなる問題を引き起こしていた。鈴木さんが向かったのは島で農業を営む大海昌平さんのところである。作っているのは奄美名物「タンカン」でポンカンとネーブルの交配種であった。濃厚な香りと味が特徴だが大海さんが次々と実ったタンカンを次々と投げ捨てた。クロウサギはタンカンの幹が大好きで幹をかじられるとその修復に養分が取られるため、タンカンの品質が落ちるという。大海さんは畑を金網で囲うなどの対策をしているが、フェンスを抜けることもあり植えたばかりのタンカンの木はビニールで覆うようにしてみたが「保護対象」から「厄介者」になってしまっていた。

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クロウサギタンカンネーブルポンカン環境省

環境省の鈴木さんと共に農家の話に耳を傾けていたのは獣医師の豊田英人さんである。その豊田さんが勤務しているのは去年春にオープンしたばかりのアマミノクロウサギミュージアム「くるぐる」である。事故などでケガをしたクロウサギを保護して治療やリハビリを行いながら展示している。特別天然記念物のため捕獲が禁じられていることもあり、その生態を研究する重要拠点となっている。

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クロウサギ「ケンタ」に学ぶ

鹿児島・奄美大島で絶滅危惧種のアマミノクロウサギが増え続けている。農業被害が深刻になり、環境省の鈴木さんが獣医師の豊田さんと対策のための実験を始めていた。取り付けているのは試作段階の被害防止柵である。柵の高さがポイントで40センチを試していた。証明を落として夜の環境を作るとアマミノクロウサギが出てきた。主役はケガで保護されたオスのケンタである。しばらくするとケンタが柵のほうへ行き柵に前足をかけて中へ入った。しかし出る時はジャンプで飛び越えた。ケンタが色々教えてくれており、農業被害の救世主になるかもしれなかった。

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アマミノクロウサギ奄美大島鹿児島県
「エルフ」とクマを追い払う

一方、クマ対策で人身被害ゼロを続ける軽井沢。12月、クマの追い払いを担当するピッキオの井村さんとベアドッグ「エルフ」を訪ねると井村さんにはこの時期大事な任務があり、エルフを置いてどこかへ向かっていた。

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ピッキオ軽井沢町(長野)

12月中旬の長野・軽井沢町でクマ対策に取り組むピッキオの井村潤太さんの姿があった。軽井沢では1月上旬には発信器を付けた全てのクマが冬眠に入ったことを確認した。春になりクマが目覚めるまでピッキオにとって束の間の穏やかな時間になる。

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クマピッキオ軽井沢町(長野)
(エンディング)
エンディングトーク

長谷川博己は「動物を神格化することも恐れることさえも人智を超えた自然への畏敬の念を感じます。新たな局面を迎えた野生動物との関係性。人間はどう向き合えばいいのでしょうか」と話した。

次回予告

「ガイアの夜明け」の次回予告をした。

(番組宣伝)
ワールドビジネスサテライト

「ワールドビジネスサテライト」の番組宣伝をした。「円が急騰 為替急変なぜ」など。

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