先月27日に行われたCNN主催のテレビ討論会。風邪をひき精彩を欠いたバイデン氏は高齢不安を露呈し、民主党内やアメリカメディアからは候補者の差し替えを求める声が上がる事態となった。先週、支持者らを前にバイデン氏は選挙戦を継続する姿勢を強調した。討論会での論戦を優位に進めたトランプ氏は、バイデン氏を非難した。アメリカのCBSテレビが討論会の直後に行った世論調査では、バイデン氏が大統領選に出馬すべきではないと答えた有権者の割合は72%だった。ただその一方で、トランプ氏についても出馬すべきではないと答えた割合は54%に上り、トランプ氏に対する低い評価も目立っている。今注目されているのが、無所属から立候補したロバート・ケネディ・ジュニア氏。アメリカで根強い人気のあるJFK、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥にあたり、第3の候補として存在感を高めている。弁護士として長年環境問題に取り組んできたが、ここ数年は「反ワクチン」を掲げている。世論調査(ピュー・リサーチ・センター)では「バイデン氏とトランプ氏のどちらも嫌い」と答えたいわゆる「ダブルヘイター」と呼ばれる有権者の割合は、25%に上っていて過去10回の選挙で最も高くなっている。ジョージワシントン大学・ピーターロージ准教授は「勝敗を左右する激戦州の得票次第では、ケネディ氏が大きな影響を与える」と指摘した。