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「チャイコフスキー」 のテレビ露出情報

1945年5月1日、「アドルフ・ヒトラー戦死」の報がベルリンに響き渡る。しかし、そのニュースは責任逃れの末の自殺という末路を隠すために捏造された代物だった。ヒトラーの後継者となった海軍元帥のカール・デーニッツは国民に徹底抗戦を呼びかけるが、指導者を失った国民たちが死を選ぶのを止めることはできなかった。その翌日にはソ連軍の猛攻を受けたベルリンが陥落。それから1週間後にドイツは無条件降伏を受諾し、戦争は遂に集結する。
敗戦国の首都となったベルリン。街角には瓦礫と遺体が溢れ、飢えに苦しむ市民たちは商店や倉庫から略奪を繰り返していた。市民たちにヒトラーの死やドイツの敗戦を嘆く余裕はなく、その日を生き延びることこそが最優先されていたのである。陥落直後からソ連軍の占領下に置かれていたベルリンはやがて、ヴァルター・ウルブリヒトを中心としたドイツ共産党の幹部たちによって統治されることになるが、それも結局のところはソ連の傀儡に過ぎなかった。
ドイツ国民を襲ったのは飢えだけではなかった。ベルリンでは占領軍の将兵による性暴力が日常茶飯事となっており、11万人の女性がその被害を受けたという。占領軍の中でもソ連軍の暴虐は目に余るものだったが、その被害はソ連の意を受けたウルブリヒトらによって黙殺された。さらに、ナチスドイツの支配下にあった国ではドイツ系の住民や兵士に対する激しい報復が巻き起こった。チェコスロバキアではドイツ系住民に鉤十字の着用が義務付けられ、亡命先から帰国した大統領はドイツ系住民の一斉追放を決める。プラハでは40人以上のドイツ系住民が虐殺される事態も起こった。この光景を振り返り、チェコの社会活動家であったプシェミスル・ピテルはこう語っている。「チェコの歴史において、ヒトラーのくびきから開放された直後に行われた犯罪ほど大きなものはないだろう。その暴力はそれまで自分たちを殺した人々のレベルにまで達していた」。
市民たちと同じく、ドイツ軍の将兵も過酷な運命を辿った。アメリカ軍の捕虜となった将兵は340万人に達し、ライン河畔に集められて野ざらしでの生活を強いられた。劣悪な環境で病気が蔓延し、アメリカ軍の収容所では8000人から4万人以上が亡くなった。同じ頃、イギリス軍の捕虜収容所には後にヘルムート・シュミットという名の兵士が捕らわれていた。捕虜生活を送る中で、シュミットは民主主義を説いていた教育学者のハンス・ボーネンカンプと出会う。シュミットは彼との出会いをきっかけに民主主義に目覚め、政治家になることを決意した。
ドイツの敗戦により、身を隠していたユダヤ人たちには安息の時代が訪れた。ベルリンでは戦後初となる礼拝を行われ、ナチスの収容所から開放されたユダヤ人たちにも連合軍から生活の場と潤沢な物資が与えられた。平和を手にしたユダヤ人たちの間にはベビーブームが到来し、その出生率はドイツ人の7倍にも及んだ。ユダヤ人たちとは対照的に、過酷な生活を強いられたドイツ国民たちは口々に「私はユダヤ人を助けた」と主張するようになり、中には家系図を捏造してユダヤ人になりすまそうとする者まで現れたという。
1945年6月5日、連合国4ヶ国の司令官がベルリンに集結し、戦後ドイツの管理について話し合う会議が開催される。この会議により敗戦国となったドイツは4ヶ国によって分割統治されることになった。ソ連の占領地区となっていたベルリンは連合国の拠点としてさらに4つの地区に分割されることが決まり、それぞれの地区を自由に行き来することは制限された。ドイツの占領は各国が独自の方針に元で進めることとなったが、ドイツの経済復興を優先するアメリカ・イギリスと戦争の賠償として設備や資材を根こそぎ本国に持ち帰ったソ連、ドイツを弱体化させるために権力の分散を主張するフランスの間では対立が深まっていく。連合国による共同統治は足並みが乱れた状態でスタートし、後に東西冷戦の火種として燻ることになる。
戦後、深刻な社会問題となったのが戦争によって生まれた大量の孤児だった。30万人に及ぶ子どもたちは里親や収容施設へと引き取られていったが、1945年の暮れになると新たに連合軍将兵とドイツ人女性の間に生まれた子供が問題となる。こうした子どもたちは40万人にも及び、長年にわたるナチズムによって純血主義が植え付けられたドイツ人の考え方を変えていく原動力となった。
終戦から3年後、連合国による共同統治は西側諸国と対立を深めたソ連によるベルリン封鎖によって破綻を迎える。この翌年にドイツは東と西に分裂し、1961年には住民の流出を防ぐ壁が作られることになる。壁の建設を実行したのは、東ドイツで最高権力者の座となっていたヴァルター・ウルブリヒトだった。そして、1974年には捕虜収容所で政治家を志したヘルムート・シュミットが西ドイツの5代目首相に就任する。シュミットはフランスとの和解を進め、第1回目となる先進国首脳会議を主導。政界を引退後もナチスの時代を経験した1人として国際協調と民主主義を訴え続けた彼は、2015年に96歳で亡くなった。
2022年3月、ポーランドに次ぐウクライナ難民の受け入れ国となったドイツのベルリンには、受け入れを希望する市民たちが殺到した。明日をも知れぬ暮らしの中を生き抜いたベルリン市民の記憶は世代を超えて受け継がれており、過去の自分達と重なるウクライナ難民たちに手を差し伸べているのだ。

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