先月30日からシンガポールで開催されていたアジア安全保障会議。中国が去年まで派遣してきた国防相の出席を見送ったことで参加国の憶測を呼んでいる。会議で相次いだのは中国の脅威に対する懸念。中谷元防衛大臣が「南シナ海は以前サンゴ礁の埋め立てを伴う係争地を軍事化する意図はないと宣言していたが、まさにその国が軍事化を急速に進めている」、アメリカ・ヘグセス国防長官が「中国が武力で台湾を征服しようとすればインド太平洋と世界に壊滅的な結果をもたらすでしょう」などと発言。中国外務省がアメリカの演説に反応、「挑発に満ちた中国脅威論を誇張するもので、断固反対する」と強く反発した。中国は今回人民解放軍、国防大学の代表団を派遣。東京大学大学院・阿古智子教授は「アジア版NATOみたいなものを視野に入れた安全保障の枠組みを議論するとなれば対中はどう考えても出てくる。自分たちの立ち位置をどう置くべきか考えたうえで国防相は派遣しないことにしたのだと思う」などと指摘した。