フィリピンのマルコス大統領は施政方針演説の中で中国と緊張が続く南シナ海の領有権問題で中国側との歩み寄りを目指す姿勢を示した。一方国内ではマルコス家とドゥテルテ家との対立が鮮明になりつつある。マルコス家とドゥテルテ家は2年前の大統領選で連携しマルコス氏が大統領として、ドゥテルテ前大統領の娘のサラ氏が副大統領としてコンビを組み当選を果たした。しかしこの連携に亀裂が生じ今深まっている。原因となっているのが外交政策でドゥテルテ前大統領は人権問題などで米国との関係を悪化させる一方で経済的に重視する中国と良好な関係を築き南シナ海の領有権問題でも習近平国家主席との間で密約を結んでいたとみられる。一方現在のマルコス大統領は米国重視へと舵を切り米国と安全保障面での協力関係を大幅に強化。サラ副大統領は今月兼務する教育相を辞任している。