パリパラリンピックの車いすテニスで、シングルス・ダブルスの2冠を達成した上地結衣。11歳で競技を始め、20歳で史上最年少の年間グランドスラムを達成した。パラリンピックでは、金メダルを獲得したことがなかった。オランダ勢に負け続け、東京大会前後の数年間で、プレーを変えたいと思ったが、結果が出ず、自分が向かっている方向が合っているのか間違っているのかもわからない時期が長かったという。引退した国枝慎吾とは、この一年、連絡をとるなどしてサポートをしてもらったという。パリ大会では、「絶対に下がらないでおこう」という国枝の言葉を思い出して、プレーできたという。シングルス決勝では、国枝が解説席にいて、最後の数ゲームは、毎ポイント国枝のほうを見ていたという。国枝は、目をそらさずに、うなずいてくれたという。上地は、障がいを持って生まれ、金メダルをを取るにふさわしい選手になるためにはこれだけの時間が必要だった、必要な人に会うための時間だった、出会ってくれたすべての人に感謝したいなどと話した。