日本が主導するTICAD(アフリカ開発会議)は日本のアフリカ外交の柱となってきた。来年9回目となる首脳級の会議を前に、閣僚級の会合が東京で開催された。アフリカ54か国のうち47か国が参加した。アフリカが解決すべき大きな課題の1つとして政情不安や紛争がある。西アフリカのマリやブルキナファソ、ニジェールなどで相次いでクーデターが起きている。また、スーダンでは1年以上武力衝突が続いており多くの国民が国内外に逃れる事態となっている。これらの国はAU(アフリカ連合)の加盟資格を停止されているため今回の閣僚会合には参加しなかった。ナイジェリア・ユスフ・トゥガー外相に聞く。ナイジェリアは若い国。トゥガー外相は「(西アフリカの地域大国として)ナイジェリアは国連安保理の常任理事国、G20やさらにはBRICSのメンバーであるべき。世界の意思決定に加わらなければならない。アフリカ最大の民主的な国家であるナイジェリアが積極的に民主主義を支持することでアフリカの発展に貢献する。同時に、ナイジェリアはソフトパワーを生かして他のグローバルサウスの国々を援助している」「(周辺国で相次ぐクーデターについて)一つはEUのサヘル地域に対する戦略が失敗したこと。EUは、テロと移民という2つの問題を一度に解決しようとした。しかし、フランスが実際に行った一石二鳥をねらったかのようなこの軍事作戦は成功しなかった。2つ目の要因はもちろんアフリカ自身にある。政府が、ぜい弱で地方に至るまで国全体を統治する力が足りていない。傭兵が活動していることや外国勢力による支配で問題が解決するとは考えていない。アフリカ自身の力で解決していくべき」などと述べた。日本では国際社会といえば西側のイメージがあるが、それだけではバランスが悪い。TICADにはアフリカの声を聞いて日本とアメリカがともに発展するメッセージも込められている。