東西冷戦の象徴だったドイツのベルリンの壁が崩壊してから、今日で35年。壁の崩壊によって、民主主義や自由な価値観が広まった。ウクライナではロシアによる侵攻が続き、ヨーロッパで多様性を否定する極右政党などが台頭する今、当時を知る人たちは何を思うのか。壁の崩壊から35年がたったベルリン。当時の民主化運動の功績を称えるとともに、旧東ドイツから西側に逃れようとして死亡した人などを追悼する式典が開かれた。ベルリンの壁は第2次世界大戦後の東西両陣営の対立を背景に、旧西ベルリンの周囲約160kmにわたって築かれた。旧東ドイツで民主化を求める市民の動きが高まったことを受けて崩壊し、民主主義と自由の象徴となった。壁の崩壊から35年になるのに合わせ、都内のプロテスタント教会で行われた礼拝。旧西ドイツ出身の牧師・アンドレアス・ラッツさんは、当時の東ベルリンを訪れたときのことについて語った上で、「(壁が崩壊した)1989年11月9日には別れの涙では無く喜びの涙だった」と振り返った。壁が崩壊した際、ベルリンにいたという80代の女性が持っていたのは“ベルリンの壁”の一部。あれから35年。ウクライナではロシアの侵攻が続き。ヨーロッパでは自国第一主義を掲げ、多様性などを否定する極右や右派政党が台頭している。当時の民主化運動を伝える政治学者は、壁の崩壊によって広まった価値観を守り続ける重要性を強調する。