今週の株式市場は異例の乱高下を繰り返した。20年近く個人で投資を行ってきた村上直樹さんを取材。今週、株価は不安定な動きに。急落した今週月曜日、証券会社には電話が相次いだ。この日の日経平均株価の終値は4451円余り下落。世界的に株価が暴落した、いわゆるブラックマンデーの翌日を超える過去最大の下落幅になった。歴史的な暴落はなぜ起きたのか。みずほ証券チーフエコノミスト・小林俊介さんは「米国の経済指標が少し弱ってきた。米国の金利が下がるかもしれない。とどめを刺したのが日銀の金融政策の変更。ここから先も利上げしていくというメッセージ。これまで円安株高にかけていた人たちは、巻き戻しを相当やらざるをえない」などと語った。翌、火曜日には一転、全面高の展開となり、終値で3200余り値上がりして過去最大の上げ幅となった。不安定な値動きは水曜日も。一時、900円以上値下がり。この状況が変わるきっかけとなったのが日銀の内田副総裁の発言。金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはないと述べた。当面緩和的な金融環境が続くという見方が広がって株価は上昇に転じた。かつてない株価の乱高下。日本経済への影響について小林さんは「企業の行動、投資や雇用にも若干ネガティブな影響が出てくる可能性はある」という。また、新NISAなどで関心が高まっている投資への注意点については「動揺しない。目先の価格の変動を気にするより、現状の価格が高いのか低いのか、日本企業の実力に見合っているかどうか、ちゃんと考え直して投資していくべき」と話す。