2023年8月下旬、林さんは岡山県の新見駅にいた。バスの代行輸送に対する感謝状がJRから贈られた。10月になると芸備線の存廃議論が始まった。林さんは調理師の専門学校に通い、料理店に勤めたこともあるという。年末になると、この地域に伝わる「塩ブリ」を作った。林さんが経営する駅前のスーパーは「塩ブリ」を求める客で賑わっていた。年末の繁忙期は娘の夫・智之さんが手伝ってくれる。芸備線が到着する時間になると駅へ向かった。実家に帰省した石原匡亮さん(67)が下車した。家では母・富美子さん(89)が待っていた。林さんの子ども・孫も訪ねて来た。2024年3月26日、芸備線の存廃を協議する再構築協議会が始まった。林さん夫妻は田舎の風景を残したいと語った。