生成AIの技術を活用し、古代ギリシャ・ローマ時代の哲学者などに日々の悩みを相談するといった疑似体験ができる新たな対話システムが開発された。対話システム「ヒューマニテクスト」は、生成AI「ChatGPT」の技術を活用して、名古屋大学などの研究グループが開発したもので、AIが古代ギリシャ・ローマ時代の古典作品のデータベースを参照してさまざまな質問に即座に回答する。データベースには現時点で哲学者のプラトンやアリストテレス、歴史家のヘロドトスなど22人の著者のおよそ400作品が含まれている。回答は、哲学書や自省録の記述を根拠に生成されている。ChatGPTなどの既存の生成AIは、インターネット上のどの情報を基に回答を生成しているかが分からず、正確さに課題があると指摘されている。今回の対話システムでは、原典に書かれている記述を根拠にするほか出典も明示されるなど、情報の信頼性が保たれる仕組みになっているという。