今年は今月21日がウクライナの伝統衣装ビシバンカの日。ビシバンカを着て街を歩く人が多く見られた。刺しゅうが施されているのは胸、肩、袖や裾など。 赤は幸運や愛、黄色は太陽や小麦を表し、青は健康や心の平穏をもたらすとされる。ビシバンカには魔除けの役割があるとも考えられ、昔から伝統的な行事や結婚式などで着用されてきた。ロシア軍による侵攻が始まってからは人々の帰属意識を象徴する存在になっている。需要の高まりに今、ウクライナのアパレル業界も注目している。この紳士服メーカーでは創業以来オーダースーツを主力商品としてきたが、侵攻開始後高い縫製技術を生かしてビシバンカの生産も手掛けるようになった。特徴は伝統の刺しゅうで戦時下を表現したデザイン。旧ソビエトからの独立記念日にはゼレンスキー大統領がこの会社のビシバンカを着用したことで話題となった。国外に逃れた人たちからも祖国への連帯を示そうと注文が相次いでいる。侵攻により故郷を追われた市民の中にはビシバンカを次世代に引き継ごうと守り抜いた人もいる。特別な行事だけでなく普段からビシバンカを愛用していたスニーフルさん。侵攻後も2か月以上地元にとどまり、上着の下にはいつもビシバンカを着てロシア軍への抗議活動に参加した。しかしロシア軍による締め付けが強まり避難を決めたがビシバンカを置いていく選択肢はなかった。度重なる荷物検査をくぐり抜け、6枚のビシバンカとともにキーウにたどり着いた。ビシバンカの日には孫と外出、世代を超えて伝統を引き継いでいく思いを新たにした。
