ガレキが散乱した町には攻撃の爪痕が至るところに。9日、ガザ地区の保健当局は「前日に中部のヌセイラトで行われたイスラエル軍による人質の救出作戦によって274人が死亡し、けが人は698人に上る」と発表した。作戦は多くの人が出歩く時間帯の午前11時に開始され、イスラエル軍は人質を脱出させる過程でハマス側と銃撃戦となり空爆も行ったとしている。イスラエル・ネタニヤフ首相は9日、「ハマスの壊滅という目標を達成することなく戦争を終わらせるつもりはない」と述べ、停戦に向けた交渉が進まない中、住民の犠牲が増え続けている。こうした中、イスラエルの戦時内閣に中道派の野党の立場から主要閣僚として参加していたガンツ前国防相が9日、「戦時内閣から離脱する」と発表した。ガンツ氏は先月、ネタニヤフ首相に対しガザ地区の将来的な統治を巡る計画を策定するよう求め、策定されない場合は離脱の可能性を示唆していた。ガンツ氏の離脱で極右勢力の発言力が強まり、国内の分断がさらに深まることも予想される。