パキスタンではミルクを入れた紅茶を飲むのが一般的だが、北西部の都市ペシャワルではカワと呼ばれる緑茶が人々に親しまれている。ところが、時代の変化や経済の悪化を受けてカワを提供する店の閉店が相次いでいるという。ペシャワルはアフガニスタンに近くシルクロードの交易の拠点として知られ2500年以上前から栄えてきた歴史のある町。ムガール帝国の時代に商人たちが滞在したとされる宿も残っている。この町で親しまれてきたのがカワと呼ばれる緑茶。カワを売る店は、朝から市民の社交場になっている。こうした店は今から遡ること数百年前交易が盛んだった時代から存在していたとされる。しかし今、町ではカワの店の閉店が相次いでいる。理由の1つは人々の生活の変化。仕事が忙しくなりゆっくり、店で過ごす人が減少。店で会話を楽しんでいた客も最近ではSNSに夢中になり一度に注文する量も減った。さらに、経済の悪化が追い打ちをかけている。深刻なインフレに加え2年前の大規模な洪水で主要産業が打撃を受け失業者も続出。人々は財布のひもを締めている。