先週中国の団体旅行が解禁され、日本への観光客の増加が見込まれている。中国国内では各地で観光客があふれかえる“オーバーツーリズム”が問題になっていて乱闘騒ぎも発生しているという。一方中国では日本の海産物が事実上の輸入停止となり戸惑いの声があがっている。北京市内の海鮮市場には日本のものはほとんど入ってきていない。背景にあるのは福島第一原発の処理水の放出計画で、日本政府は放射性物質のトリチウムなどの濃度を基準値よりも大幅に薄めた上で今月下旬にも海に放出することを検討しているが、猛反発している中国政府は日本の水産物を対象に全面的な放射線検査を実施し、日本からの水産物の輸入は事実上停止となった。この影響は中国の日本産が食べられることが売りの日本料理店を直撃し対応を余儀なくされている。日本への団体旅行にも影響が出ていて、ツアーの日程表からはアピールポイントになるはずの「海鮮」の文字が消えている。旅行会社によると今は海鮮が食べられることを宣伝しにくいのだという。日本に来た中国人観光客は「中国は処理水の放出について大げさに報じているだけ。深刻なことだとは思っていない」と話した。