今年度の上半期の企業倒産件数は、物価高などの影響で、10年ぶりに5000件を超えた。今、中小企業の後継ぎたちが、家業を残そうと奮闘している。今日のテーマはアトツギベンチャー。大阪・東大阪市のモノづくりの町で50年以上プラスチック製品を作っている甲子化学工業。3代目の南原徹也さんは3年前から経営にも携わり始めたが、今後も事業を残していけるか不安を感じるなか、新たに始めたのがホタテの貝殻でエコな製品を作ること。猿払村は北海道でも有数のホタテの生産地。この地区ではホタテの貝殻が年間4万トンも廃棄され、処理に頭を悩ませていた。この社会課題を解決しようと、新たに開発したのがヘルメット「ホタメット」。粉末にした貝殻を混ぜることで、通常のプラスチックに比べて強度は33%上昇。今年8月に自転車用のヘルメットとして発売したが、想定の10倍のペースで売れている。さらに、プラスチックだけでなく、清水建設と協力し、貝殻を活用した建築材料の開発も進めている。