ウクライナ・ゼレンスキー大統領が28日、アメリカを訪問することになった。トランプ大統領が支援の見返りとして求めてきた、ウクライナ国内の鉱物資源の権益。欧米の複数のメディアは、アメリカとウクライナの双方が大筋で合意したと伝えている。当初、アメリカはウクライナに対し、鉱物資源から得られる5000億ドルの権益を要求していたと伝えられている。協議が合意に至らなければ、ウクライナ軍も使用する衛星通信網のサービスを遮断する可能性に言及したと伝えられるなど、圧力とも取れる姿勢を見せていたトランプ政権。政権発足から1か月余りで、こう着状態を動かしたと、成果をアピールすることになりそう。一方、ウクライナが求めていたのは、安全の保証。ゼレンスキー大統領はこれまで、停戦の条件として、再び侵攻されることがない永続的な和平の実現を掲げていて、今回の協議でも、鉱物資源の権益と安全の保証はセットであるという考えを示していた。しかし、今回の合意では、安全の保証が含まれていないとも伝えられている。記者団から問われたトランプ大統領は「(ウクライナへの軍事支援の提供は?)主にヨーロッパが担うことになるだろう」と語った。鉱物資源の権益を交渉のカードとしてきたゼレンスキー大統領は侵攻から3年を前にした記者会見で「安全の保証が高くつくことは理解する。ただウクライナ人には必要だ」と述べていた。