多くの日経企業が進出する東南アジアへの相互関税は軒並み高い税率とされていて動揺が広がっている。アメリカで去年輸入された米のうち約6割がタイ米だったが、トランプ関税によって少なくとも1兆円あまりの損失がでるという試算もある。生産業者はすでに販路の多角化を検討していて、主なターゲットは日本だという。東南アジア諸国が高関税になったのは中国からの生産移転が進んだため。米中貿易摩擦などを背景に、中国企業が関税回避のための迂回ルートとしてタイなどへの生産シフトを加速。各国企業も中国依存から脱却する「チャイナプラスワン」戦略を進めたことで東南アジア諸国は対アメリカの貿易黒字が続きトランプ関税の標的になった格好。タイ航空はボーイング社製造の航空機45機を購入する計画で、現地メディアは「アメリカ製品の輸入拡大などが交渉材料になる」との見方を伝えている。また、ベトナムはアメリカ製品の輸入関税をゼロにする協議を行う方針。