旧ソビエトのモルドバでは3日、大統領選挙の決選投票が行われた。選挙はEU(ヨーロッパ連合)への加盟を推進してきた現職のサンドゥ大統領と、ロシアとの関係も重視する元検事総長のストヤノグロ氏が争う構図で、モルドバのEU加盟を阻止したいロシアが選挙介入を行っているとの疑惑が指摘されている。モルドバの警察はロシアの銀行から3900万ドル、日本円にして59億円余りが送金され、有権者の買収に使われたと先月発表していて、投票所を訪れたサンドゥ大統領は“泥棒たちが国民の声と国を買収しようとしている”などと述べて厳しく批判した。一方、ロシア側は介入について全面的に否定している。先月行われた大統領選挙の1回目の投票ではEUへの加盟を推進するサンドゥ大統領が2位の候補者に15ポイント以上の差をつけてリードした。しかし、同時に行われたEU加盟の是非を問う国民投票では賛成が反対を上回ったもののその差は1ポイント以下の僅差となっていて、国民がサンドゥ大統領が掲げるEU加盟を目指す路線の継続を選ぶのかが焦点。