きょう、事実上の春闘が始まった。近年の賃上げ率の推移を見ると、3年前までは2%前後だったが、去年は5%を超えた。街では、賃上げの実感がないという声が少なくなかった。大手就職情報会社によると、就職活動に影響したニュースワードで、「初任給アップ」が2025年卒の学生の間で1位になっているという。2023年卒まではランク外だったが、今回2年連続で1位となった。最低限ほしいと思う初任給の額の調査では、22万円以上を求める割合が年々増加し、来年卒業予定の大学生では60%を超えた。名古屋市にある従業員約150人のIT企業では、ことし入社する社員の初任給を1万5000円引き上げる。現在いる若手社員の基本給を新入社員の基本給が上回る逆転現象が起きる見込みとなった。社長はコラムで社員に説明。次の賞与の際に上乗せ分を支給するほか、その後は基本給のベースアップを進めることを決めた。専門家は、従業員全体の賃金体系の見直しが必要だと指摘。ことしの賃金引き上げについて、国内の大手企業100社に聞くと、引き上げる予定としたのが33%、引き上げる可能性が高いとしたのが59%となった。このうち3割近くの企業が5%以上の引き上げを検討していることもわかった。きょう行われた経団連と連合のトップによる会談では、中小企業にも賃上げが広がるよう取り組みを強化していくことで一致した。