近藤さんはエッシャーの視点がどこにあるかを探してほしいとしたが、2階の床と3階の天井が同時に見えているのが特徴で、その2つが交わる所がエッシャーの視点。通常被写体に近いほど遠近感が強調され、大きさの違いが極端に。そこで近藤さんの模型を参考にしてエッシャーのトリックが使用されていない物見の塔を作成したがエッシャーの物見の塔の方が自然に見える。3階左奥の柱が短すぎると感じたエッシャーは、屋根を高くして違和感を緩和させている。また一階の左側が手前に突き出し過ぎていると感じたエッシャーは、階段とテラスを作り、床を底上げ。これにより、画面左が手前に突き出している感じが消えた。エッシャーは物見の塔で、2階に立体では実現不可能を置くために視点を建物に近い位置に設定。そのことで強調される遠近法による違和感を屋根の増築や、床の底上げなどのテクニックを利用して、徹底的に排除した。
