先月、ヘリコプターの墜落事故でライシ大統領が亡くなったことを受けて行われたイランの大統領選挙。28日、有権者が1票を投じた。選挙は事実上3人の争いとなり、ライシ政権と同様に欧米との対立をいとわない保守強硬派の候補では国防や外交を統括する最高安全保障委員会の事務局長を務めたジャリリ氏と軍事精鋭部隊・革命防衛隊の出身でイラン議会のガリバフ議長の2人が有力で保守層の支持を分け合っている。改革派からは保健相を務めたペゼシュキアン氏が唯一立候補。かつて核合意を締結したロウハニ元大統領らの支援を受け欧米との関係改善を訴えている。ヘジャブをめぐる厳しい取締りを批判するなど保守強硬派に不満を持つ層の受け皿を目指している。イランが欧米との対立を続けるのか、それとも対話路線に切り替えるのかは中東情勢に大きな影響を与える。開票作業が順調に進めば日本時間の今夜までに大勢判明の見通し。ただいずれの候補の得票も過半数に達しない場合は、来月5日に上位2人の決選投票が行われる。