4日木曜日。フランスでは今、議会選挙が行われているが、1回目の投票で極右政党が勢力を伸ばしたことが波紋を広げている。木曜日、懸念の声を上げたのはフランスサッカー界のスーパースターだった。金曜日、準々決勝が行われたサッカーのユーロ2024。この重要な試合を前にフランス代表のキャプテン・エムバペが語ったのは「皆が団結して正しい政党に投票してくれることを願っている」。フランスの総選挙がサッカーより重要だというエムバペは移民2世。移民政策の厳格化を掲げる極右政党が1回目の投票で首位に立ったことに危機感を訴えた。今回の選挙のきっかけは、マクロン大統領の決断。先月のEU議会選挙で極右政党が躍進したため、その流れを変えようとフランス議会の解散総選挙に踏み切ったが1回目の投票でマクロン率いる与党連合は極右国民連合、左派連合に次ぐ3番手に沈んだ。危険な賭けと呼ばれた決断が裏目に出た形。極右と呼ばれる国民連合。マリーヌルペン前党首の父親が設立した国民戦線が前身。移民排斥や反ユダヤ主義を主張。ユダヤ人虐殺や広島への原爆投下をささいなことと述べるなど過激な発言が物議を醸していた。その後、娘のマリーヌルペンが党首を引き継ぐと過激な主張を控える脱悪魔化と呼ばれる路線を進め支持を拡大。2年前には、27歳のバルデラを党首に据えイメージの刷新を図る。脱悪魔化を進めても、移民政策への強いこだわりは変わりない。1回目の投票で過半数を取って当選が確定したのは76議席のみ。残る501の選挙区では今日、決選投票が行われる。