国家歳入の約6割を石油に依存してきたサウジアラビアは、世界的に広がる脱炭素化や将来的な石油資源の枯渇も見据え、ゲーム産業を新たな収入源のひとつにしようと考えている。サウジアラビアでは毎年のようにeスポーツの大会が開催され、海外からの観光客の呼び込みにつながっているほか、ゲーム産業に力を入れる姿をアピールしている。ゲームソフトを開発する地元企業にもその恩恵が出始めている。10年前からスマホゲームを開発しているこの企業は、約30人の従業員全員がサウジアラビア人で、20代から30代と若い企業。開発したレーシングゲームは既に100万回以上ダウンロードされ毎日数十万人がオンラインで楽しんでいる。ゲームのうりは作り込んだ車のグラフィック。サウジアラビアの都市や砂漠など実際にある道路を走行できる事が人気の秘訣。サウジアラビア政府は政府系ファンドを通じてゲーム関連企業の成長を後押ししている。開発費用への資金援助に加えプログラミング研修などにも助成金を支給し、スタッフの技術向上だけでなく国内での開発競争が活発化し質の高いゲームの誕生につながっている。ゲームの開発責任者は、政府の支援を追い風に世界市場に打って出たいと意気込む。