開幕前の2月に五十嵐さんがキャンプ地であるアリゾナへ。練習を視察した五十嵐さんはパワーピッチャーとしてのこだわりは変わらないと話した。マイナーリーグで調整登板するのが一般的だが、大谷の場合は打者としても出場するため試合開始4時間前に実践形式で登板した。6月17日に投手として復帰し、161キロをマーク。2020年の1度目の手術後初戦では152キロだった。1回1失点で投げ終えると3回ウラにはタイムリーヒットを放つなど2安打2打点。ロバーツ監督は野球ファンとしてはたまらない光景だったなどと話した。23日のナショナルズ戦では復帰後初の三振を奪い1回無失点。第5打席にはホームランを放った。ロイヤルズ戦で3試合目の登板となり、メジャー自身最速の164キロを出した。7月6日のアストロズ戦では2回無失点。13日のジャイアンツ戦では3者連続三振。22日のツインズ戦ではホームランを打たれるも、自身もホームランで取り返す。この日は3回1失点46球の力投を見せた。筑波大学の川村教授にこれまでとの違いを聞くと、一塁側へ傾き右腕をより縦に振る意識を持っており、力強いストレートが生まれるフォームになっているという。ドジャース投手コーチ補佐のC.マクギネスは、タイミングを合わせてボールに力を伝え、効率良く投げられるフォームなどと話す。ロイヤルズ戦で投げたストレートは映像やデータでみても最高のレベルのものだったという。バックスピンがかかって浮力が上がってくるのは以前より増していると川村教授がいう。更に新たな球種として縦のスライダーを操れているという。今季の投球割合はストレート49%、スイーパー25%、スライダー11%と変化球の中で2番目に多く、三振を奪った数はスライダーが5個と一番多い。ドジャースの編成本部長のA.フリードマンはバッティングとピッチングの両方をみられるのは本当に特別なことだと思うなどと話した。更にプレーオフに進出できた場合に大谷は先発かクローザーかという質問に、クローザーとしても一流になれるなどと話した。