去年、東京都内で警察署や交番などに届けられた落とし物の件数は過去最多の約440万件にのぼったという。実は今、AIを使って落とし物を簡単に捜せるサービスがある。さらに格安で落とし物を販売する「掘り出し市」も行われている。取材したのは京王電鉄の忘れ物取扱所。電車や駅の落とし物で一番多いのは傘。1日に300万人以上が利用する京王電鉄。落とし物は1日平均600件にものぼる。この日、落とし物を取りに来たほとんどの人が使っていたのがLINEを使って落とし物を捜せるサービス。開発した企業「find」によると、鉄道会社だけでなく、ショッピングモールやテーマパークなど、約2300の施設が導入しているという。AIを使って簡単に登録・検索をすることで、落とし物が見つけやすくなり、落とした人が自分の落とし物の画像を持っていたら、それを一緒に送ってもらう。画像を送信すると、AIが細かい特徴を自動入力してくれる。写真がない場合は商品のキャプチャーでもいいという。最終的にオペレーターが落とした人に直接聞き取りをするため、なりすましも防げる。このサービスは導入している企業側にもメリットが。京王電鉄は今まで全てテキスト情報での手入力だったが、導入後は登録業務の時間が短縮された。さらに持ち主への返却率が1割から3割にアップ。持ち主が現れなかった落とし物は「鉄道忘れ物 掘り出し市」という期間限定のイベントで売りに出している。持ち主が現れず、警察から鉄道会社に戻った落とし物をイベント業者が買い取り、売りに出している。本来なら廃棄される掘り出し物がお得な価格で販売されている。一方、ホテルでは置き去りのスーツケースが悩みのタネ。3か月保管し、持ち主からの連絡がなければ廃棄できるが、処分にはお金がかかる。都内の「庭のホテル 東京」が始めたのはスーツケースを利用した野菜作り。育てた野菜はレストランで提供している。