ウクライナへの軍事心から今月で3年。この間、ロシアに課された経済制裁の数は2万1,000件で史上最大規模。しかし、GDP成長率をみてみると、ロシアは一時急落したがその後持ち直し、去年は3.8%と先進国と比べても高い成長を記録する見込み。
モスクワの和食レストランには連日、多くの人たちでにぎわう。人気は一皿2000円のカリフォルニアロール。自動車の販売はこの3年で2倍以上に急速に回復している。モスクワ市内の自動車販売代理店で家族が注目していたのは中国車。欧米のメーカーが撤退する中、この店では中国車が売り上げの7割を占めるようになった。侵攻直後、反対派を弾圧するなどの政策を進めてきたロシア。一方で国民を懐柔するための様々な施策も同時に進めてきた。その一つが住宅政策。去年には年間7000億円を住宅ローンの補助にあてた。これを追い風にモスクワでは高層マンションの建設が続いている。政府の補助を利用し住宅を購入したIT技術者のアレクセイ・ベロウスさん。おととし、モスクワ郊外に約2900万円の新築マンションを購入し、政府の補助で金利は16から5%となり、月々の返済は大幅に減った。
ロシア経済をけん引するのは年間18兆円にものぼる軍事支出。各地の軍事工場は24時間体制で稼働している。政府の資金で新たな雇用が生まれ、平均賃金は1.5倍に増加、市民の購買意欲が高まり経済がまわっている。ロシア経済学者のウラジスラフ・イノゼムツェフさんは、この事態は欧米にとって想定外だと指摘する。経済が上向く中、政府がばく大な資金を投じて集めようとしているのが兵士。ロシアの街中には志願兵募集の看板がある。日本円で810万円の年俸、ロシアの平均月収で換算すると5年分に相当する額。入隊時に支払われる一時金は侵攻後上がり続け、450万円を超える地域もある。ロシア政府は1日平均1000人の志願兵が採用されていると主張。兵士の多くが貧しい地方の人々だとされている。ロシア軍に動員されたアンドレイ・アモノフさん、現在は国外に逃れている。アモノフさんはサハ共和国出身、貧困率の高い地域。当時の入隊一時金は約45万円、アモノフさんにとって思いがけない額だった。亡くなった兵士の遺族にも多額のお金が支払われている実態もみえてきた。息子を戦闘で亡くしたリダ・マガシさん。政府からは勲章が贈られ、家族への補償金は約2000万円。さらに、年金の加算や光熱費の補助など手厚い支援も受けられるようになったという。それから2年、マガシさんは物資を戦地に送るボランティアをしている。この戦争は正しいと信じている。これまでに命を落としたロシア兵の数は9万人とも言われている。ロシア経済学者のウラジスラフ・イノゼムツェフさんは命の対価として、高額の報酬が支払われる状況を「死の経済」だと指摘し、ロシア社会をいびつな形に歪めていると批判している。
モスクワの和食レストランには連日、多くの人たちでにぎわう。人気は一皿2000円のカリフォルニアロール。自動車の販売はこの3年で2倍以上に急速に回復している。モスクワ市内の自動車販売代理店で家族が注目していたのは中国車。欧米のメーカーが撤退する中、この店では中国車が売り上げの7割を占めるようになった。侵攻直後、反対派を弾圧するなどの政策を進めてきたロシア。一方で国民を懐柔するための様々な施策も同時に進めてきた。その一つが住宅政策。去年には年間7000億円を住宅ローンの補助にあてた。これを追い風にモスクワでは高層マンションの建設が続いている。政府の補助を利用し住宅を購入したIT技術者のアレクセイ・ベロウスさん。おととし、モスクワ郊外に約2900万円の新築マンションを購入し、政府の補助で金利は16から5%となり、月々の返済は大幅に減った。
ロシア経済をけん引するのは年間18兆円にものぼる軍事支出。各地の軍事工場は24時間体制で稼働している。政府の資金で新たな雇用が生まれ、平均賃金は1.5倍に増加、市民の購買意欲が高まり経済がまわっている。ロシア経済学者のウラジスラフ・イノゼムツェフさんは、この事態は欧米にとって想定外だと指摘する。経済が上向く中、政府がばく大な資金を投じて集めようとしているのが兵士。ロシアの街中には志願兵募集の看板がある。日本円で810万円の年俸、ロシアの平均月収で換算すると5年分に相当する額。入隊時に支払われる一時金は侵攻後上がり続け、450万円を超える地域もある。ロシア政府は1日平均1000人の志願兵が採用されていると主張。兵士の多くが貧しい地方の人々だとされている。ロシア軍に動員されたアンドレイ・アモノフさん、現在は国外に逃れている。アモノフさんはサハ共和国出身、貧困率の高い地域。当時の入隊一時金は約45万円、アモノフさんにとって思いがけない額だった。亡くなった兵士の遺族にも多額のお金が支払われている実態もみえてきた。息子を戦闘で亡くしたリダ・マガシさん。政府からは勲章が贈られ、家族への補償金は約2000万円。さらに、年金の加算や光熱費の補助など手厚い支援も受けられるようになったという。それから2年、マガシさんは物資を戦地に送るボランティアをしている。この戦争は正しいと信じている。これまでに命を落としたロシア兵の数は9万人とも言われている。ロシア経済学者のウラジスラフ・イノゼムツェフさんは命の対価として、高額の報酬が支払われる状況を「死の経済」だと指摘し、ロシア社会をいびつな形に歪めていると批判している。