福島県の標高700mの森の中にある竪穴式住居に1人で暮らす久さんを訪ねた。生活用水は沢でポリタンクに組んでいる。借りている土地は10万平米で、借りた当初は毎年1万2000円を払っていたが草刈りをして管理することを条件に0円になった。ヤギの放牧スペースでは草を食べてもらい管理している。昼には、かぼちゃの新芽、自作した豚骨スープ、トマト、ご飯、レトルトカレーを合わせたトロトロ豚肉カレーを味わった。トラクターで動く移動式のニワトリ小屋もあった。移動させることでエサ場となる虫を食べさせていた。農業を営む両親のもとに生まれた久さんは高校卒業後、愛知県の建設会社に就職した。24歳くらいの時に孤独に押しつぶされてうつ病のような状態になり、故郷に帰った。地元の建設会社に再就職し、46歳のときお見合い結婚。娘が生まれ仕事に邁進したが、59歳の時にリストラと離婚という悲劇に見舞われた。久さんは60歳で農家に転身し、娘のために朝から晩まで働いた。娘は新潟大学に進学し、現在は働いている。これからは自分の好きなことをやろうと、竪穴式住居をはじめ薪ストーブに移動式鶏小屋などお金をかけずに作りたいものを作った。その場所に選んだのが実家に近い福島の森の中だった。