日本製鉄が買収を計画している米国の大手鉄鋼メーカー・USスチール・ブリットCEO宛に、民主党・エリザベスウォーレン上院議員とシェロッドブラウン上院議員が2日付で書簡を送った。議員2人は「ブリットCEOは日本製鉄による買収完了後に、7200万ドル、日本円で約105億円の高額な報酬を受け取る可能性がある」と指摘したうえで、「労働者を犠牲にして、みずからが潤うことになる」と批判した。今月16日までに説明するよう求めている。日本製鉄についても「米国の鉄鋼業を長期的に支援することを約束しないという労働組合の懸念を高めた」と批判している。民主党の議員による批判の背景には、大統領選挙が近づく中、買収に反対する労働組合からの支持を取り付けたい思惑があると見られている。日本製鉄によるUSスチールの買収を巡っては、米国政府の対米外国投資委員会が審査を進めていて、一時はバイデン大統領が委員会の勧告を踏まえて、買収の阻止を発表すると報じられていた。先月中旬までに、日本製鉄が計画の再申請を行ったため、委員会の判断は大統領選挙後になるという見方が出ている。