韓国・ソウルで巻き起こっているデモで、政府に対し声をあげているのは現役医師ら。ことの発端は今月6日、韓国政府は医師不足対策として医学部の定員を2000人増やす方針を発表。これにより定員は3058人から5058人となる。しかしこれが医療の質の低下につながるとして医師たちが反発した。こうした動きはソウルの「ビッグ5」と呼ばれる5大病院を中心に全国へと広がった。保健福祉省が全国100か所の病院に調査したところ、研修医の半数以上の約6000人が退職届を出したことが分かったという。先週発表された世論調査では国民の約76%が医学部定員増加を指示している結果となった。それに伴いユン大統領の支持率も上昇。調査会社は医学部増員を打ち出したことが支持率を上げたと分析している。ただ医師たちの怒りの理由は医療の質の低下だけではないという。番組では研修医協議会の会長をつとめた経験のある医師、実際に退職届を出した研修医に話を聞いた。政府が医療現場の現状を考えず、政策を打ち出すことに疑問を持っているという。そして研修医は医師のリスク対策がなされないまま政府が定員増加を含めた新たな医療対策を行うことは認められないという。