韓国・尹錫悦大統領は非常戒厳の宣言後、2回目となる国民向けの談話を発表し戒厳の宣言は統治行為だと正当化した上で争っていく姿勢を示した。尹錫悦大統領は談話で戒厳に至った理由について「最大野党代表の不正を捜査しようとしたところ妨害されたことからこれ以上見守るわけにはいかず憲法の枠内で国政マヒの状況を国民に伝えるため戒厳を宣言した」と説明した。国会に軍を投入したことについて「秩序を維持するためのもので国会の機能をマヒさせようとしたものではない」と述べ、投入した兵力を最小限にとどめたと強調した。そのうえで最大野党代表が公職選挙法違反などでの上級審の判決が迫っているため「弾劾を通じてこれを回避するため早期の大統領選挙を行おうとしている」と説明した。さらに「国家システムを崩してでも自ら犯罪を覆い隠し国政を掌握しようとしている」と主張し、野党が体制を破壊しようとしていると指摘した。大統領の弾劾訴追案は可決される公算が高まっている。野党側は今週土曜日に2回目の弾劾訴追案の採決を目指している。尹大統領の進退について一任されていた与党は早期退陣させることで事態の収拾を図っていたが、尹大統領の方針転換に与党代表は「国民への約束を破った」と憤りを露わにしている。そのうえで「即時の職務停止が必要だ」と強調し、また「弾劾に賛成する以外に方法はない」と述べ、弾劾訴追案に賛成する意向を示した。尹大統領も弾劾に立ち向かっている姿勢を示したことから弾劾訴追案が可決される公算が高まっている。