先月、JRなど首都圏の鉄道8社がQRコード付きの切符を導入する方針を発表した。そうした中で切符すら使わず顔パスで乗車できるシステムをあすから千葉県佐倉市のローカル線が全国で初めて本格導入する。このシステムが導入されるのは千葉県佐倉市の山万ユーカリが丘線。京成本線との乗り換え駅、ユーカリが丘を起点とし住宅街をおよそ15分かけて1周する。運賃は一律200円。顔パスで乗車するには事前に自分の顔写真とクレジットカードなどの情報をオンラインで登録する必要がある。改札に取り付けられたカメラで顔を認証し、自動的にクレジットカードで運賃を決済し乗車することができる。導入のきっかけは顔認証システムの開発会社から全国への拡大を見据え、まずは規模の小さな路線で始めたいと持ちかけられたこと。この路線ではSuicaなどの交通系ICカードは利用できず磁気付きの切符を現金で買う必要があった。高齢化で乗客の減少が続く中、経営の効率を少しでも高めようとおよそ6000万円をかけて導入を決めたという。一方で路線利用者への対応として紙の切符は今後も残ることになっている。通常の切符はQRコードを読み取る形になる。あすからは、この沿線を走るバスでも顔認証が導入される。将来的には地域の商店や飲食店にも導入を広げすべてが顔パスで済ませられる街として魅力を高めるねらいだ。今回は乗客がそれほど多くない路線での導入なのだがシステムの開発会社によると大量の乗客の顔認証をスムーズに行えるかどうかが課題だということで、さらに研究や開発を進めるとしている。