何がアフリカの成長を阻んでいるのかについて、統治能力の低さが大きな問題だという。汚職やコネが物言う縁故主義が蔓延し、その一方で外国漁船の取り締まりすらできない。一部の権力者が立憲を握り続けるといった状況が、各国でセネガルだけでなくアフリカ各国で続いている。アフリカが本当の意味で最後のフロンティアとなっていくには、社会インフラの整備や新たな産業を生み育てていくための取り組みが欠かせない。そうした地道な目標を達成していくためには、公正で透明性のあるガバナンスを確立することが求められてきた。しかし今のところ、多くの国で足踏みが続いているのが現状。セネガルでは、漁業資源の乱獲の問題には中国、ヨーロッパの漁船も関わっているが、国際社会の責任があるという。アフリカの若者の高まっている不満を放置し続けることは、世界全体にとっても大きなリスクとなり得る。アフリカの自立を促す手助けというのはこれからも続けていかないといけないという。しかし状況は苦しくなっている。アメリカはトランプ政権になって以降、援助に極端に後ろ向きになっている。またヨーロッパや日本も防衛費の増額を求められる中で、援助に回す予算がますます限られてきている。中国も経済が停滞しており、かつてのように資金をアフリカに投入するということはできなくなってきている。来月には日本でアフリカ開発会議も開かれる。そこでも若者の問題というのは大きなテーマの1つとなる。アフリカ諸国の若い活力を日本経済の成長にも取り込んでいくような活発で積極的な議論ができるか期待されている。